革ジャン(ライダース)・レザージャケット・フライトその他いろいろと革物のジャケットもさまざまなタイプがある。使われる素材の種類も多種多様で、牛一つとっても品種・年齢などでさまざまな工程(なめし)を経てそれぞれの製品に用いられている。現在、僕が持っているレザージャケットは3着で、どれもデザイン的な型は「カーコート」と呼ばれるタイプのものだ。使用しない期間、革素材のジャケットの保管はなるべく空気の籠らない場所でというのが原則となっている。もちろんそれは「カビを発生させないため」というのが最大の理由。レザージャケットシーズン終了の春先に、革ジャンのケアと称してクリームを塗ってタンスにしまうというのはやってはいけない保管方法とされている。カビは湿度(湿り気)と温度と養分があれば簡単に増殖するもの、ということで僕も年中、部屋のポールハンガーにかけている。いつでも目視チェックできるということで夏の間はたいして気にすることもないのだった。
だがしかし先週末、久しぶりにホコリ取りに軽くブラシをかけようとしたところ1着のジャケットに白い謎の筋が浮いていることに気がついた。改めて見ると襟部分とか背中とかあちこちに同様の「白いもの」が発生していた。
レザーカーコート ホースハイド
いったん別の場所に移して乾ぶきをした。カーコートとは昔々、オープンカーに乗る時用にデザインされたジャケットからきた名前らしい。らしいらしいで真偽は知らないけれどまあそういったショート丈のコートだ。
とりあえず全体を拭いてみた
ジャケットのあちこちに筆でなぞったような白いものが浮かび上がっていた。
あちこちに白いシミが浮いている
近づくと「白いもの」がよく目立つ
襟付近にも
背中部分
最初は「白カビ発生か?」と思っていろいろ対処法を調べてみたのだけれど、どうもこれは白カビというよりもスピューという現象ではないかという気がしてきた。スピューというのは塩とか脂肪が革に浮き出てきた状態のものをいうとのこと。もちろん白カビという可能性もあるのだが、数ヵ月前に革に柔軟性を出すためにオイルを塗った。野球グラブ用のオイル(ミズノストロングオイル)なのだけれどそれには「動物性油脂、植物性油脂」がたっぷり含まれている。それが浮き出てきたのではないか? という予想で、水を絞った布で拭いた後、汚れ落としをすることにした。
レザーソープ コロニル製
「汚れを落とし皮革を引き締め、皮革本来の風合いを蘇らせます」ということで、レザーケア商品で評判の高いコロニル製を使うことに。手順は一般的なケア方法で、1.使用対象のホコリを落としておく、2.レザーソープをまんべんなく塗布、3.乾いた後で乾ぶきを行う、というもの。
シェービングクリーム式のスプレー
まず布にクリームを吹き付ける
白さがキツイところへは直接つけてもみた
背中面も塗布して拭いていく
前面もムラなく拭いていく
「白いもの」が目立つ部分を重点的に全体を拭いていくと、とりあえず状態は良くなったように見える。この段階ではレザーソープでしんなりとして良い感じになっているのだが、これから部屋干しをしてどう変化するのかが問題だ。「白いもの」が残っていれば別の方法を考えなければならない。まあ1週間ほど干してようすを見ることにしよう。とはいえ、もうほとんどレザーって着ないんだよなぁ・・・
とりあえずケア終了
さてどうなるか・・・