前回、リーガルで作ったパターンオーダー靴のチェックを行ったのでリーガル繋がりでもう一足の方もメンテを行なった。
前回:『 葬式用 リーガルパターンオーダー靴 』
持っているリーガル靴はこれら2足のみ。季節の変わり目ということでもう片方にはクリーム入れのケアをすることにした。
用途の広い靴 外羽根プレーントウ
プレーントウのシンプルなデザインはカジュアルなものからフォーマル的な利用まで幅広い使われ方をしている。アッパーに装飾がない分、コバの厚みや「でっぱり具合」、靴紐を通す穴(アイレット)の数、トウのポッコリ具合、そして素材とその色の組み合わによって様々なバリエーションが存在している。自分の好みの仕様でオーダーすれば満足度の高い一足が手に入るだろう。黒のベーシックなプレーントウならば葬式でもまあいける。履き回しの利くデザインだ。
リーガルのプレーントウ
このデザインの表記はプレーントウまたは「ウ」を小さくしてプレーントゥのどちらかで書かれているのがほとんどだけれど綴りの音から見るとプレーントオが正しいのではないかと思っている・・・。がここでは「プレーントウ」で。
まず、靴紐を外して軽く乾ぶきを行った状態
斜めから
アッパー
別に汚れてもいないのだが、乾燥を防ぐのと防水性をつけるために油性クリームを数ヵ月に一度塗ることにしている。
土踏まずのあたりはこんな感じ
裏返しのようす
このあたりはリーガルでは既成ラインにあまりないしぼり方の印象。今回使うメンテグッズ(とはいえ毎度毎度のことだけれど)は、
黒靴用ブラシ・油性クリーム等
今回のクリームはナチュラル(無色)で
ナチュラル用のブラシで適当量を塗っていく。クリームを塗った後のブラッシングは豚毛ブラシで、というのが一般的に推奨されている。僕も毛の硬さから馬毛より豚毛の方がクリームを革に浸透させていくには良いと思う。
しばらく置いた後、ブラッシング
見た目それほど変わらずだが、乾ぶきをすると鈍い照りが出てくれた。鏡面仕上げは好きじゃないのでここまでで終了。
横から
ついでにライニング部分。作る時にライニングカラーはボルドーを選んだのだが見た目はブラウン色をしている。
ソール部分。ハーフラバーは街の靴修理屋さんで貼ってもらった。土踏まず部の形は「01DRCDシリーズ」と同じぐらい?
シューレース5穴を通して今回のケアメンテは終了
このパターンオーダー靴の素材について
このプレーントウをオーダーするにあたって選んだ素材はアノネイのアニリン仕上げのカーフ。アノネイのアニリン染めは「ボカルー」と呼ばれていたと記憶している。ベジタン染めの方は「ベガノ」だったかと・・・ここらは漠然とした認識だ。アノネイ社のカーフとはいえランクもいろいろあるだろうけれど、この靴は深いシワが入ることもなく気に入っている。
ただ1点気になるところは、使っているクリームの「サフィール ノワール クレム1925」が浸透しにくく感じるところだった。塗り込みがうまくいかないといった状態(つまり表面に残ってしまう)が発生する。それはアニリン染めとの相性なのか、個体差なのかはわからない。このアノネイアニリンは表面に透明感があってそこはデリケートクリームを使う方が相性がいいのかもしれない。次回はデリケートクリームを試してみたいと思う。
おわり