ここ数ヵ月、新型インフルエンザで「不要不急の外出を控える」という自粛要請もあって、家にいる時間が長くなった。そういったこともあって、普段はまったく手入れをすることもない革財布を軽くケアすることにした。今回手入れをした3点の財布類は「全て貰い物」で、そのうち2点はほとんど使っていない状態。だからケアメンテの必要はないのかもしれないが、時間のかかるものでもないから乾燥を防ぐために保革のためのオイル塗りをしておいた。
最初に水拭きをした後で「マスタングペースト」を薄く塗布、その後に軽く乾ぶきをして終了という手順。1つ1つは時間10分もかからない。
1.吉田カバン ポーターのカードケース
何年前か忘れたけれどもプレゼントでもらったもので、ポーターのオンラインで見ると「PORTER CURRENT | CARD CASE」だろうと思う。ほとんど使っていないものだけれど経年変化で色が濃くなっている感じがする。
表面
内側
口の部分
表側は牛ステア(コンビネーション鞣し)でエンボス加工が施されている。吉田カバンによると「凪のように穏やかな波を連想させる型押し」とのことで、確かに表面上に細やかな線が走って落ち着いた感じが出ている。
「このままでいいのでは」とも思うが、保革ということでマスタングペーストを塗っていく。
表も内側もサクッと終了。塗りたてで色が濃くなっているけれど1日経てば落ち着いていくだろう。
2.ラングリッツのワレット
ラングリッツ(1947年アメリカ・オレゴン州で創業)といえばライダース・ジャケットなのだがアクセサリー小物類も出ている。これも以前に、アメカジというのかバイカー系ブランドを扱っている店でレザージャケットを買った時に「くじ引き」で当たったものだ。その店の周年祭イベントでのことだったような記憶。
ラングリッツレザー製の財布
商品名は「LAZY-D Wallet」で札入れ用財布。素材はゴート(ヤギ革)ということで非常に軽くて柔らかいし、表面はシボ模様になっている。しかし、これもほとんど使っていないのだった。現状、いろいろなお店のポイントカードを収納する用になってしまっている。
札入れの口の部分
さっそく塗っていくが、オイルがスーッと浸透していく。それだけ乾燥していたのか、ゴートレザーの特徴なのかは不明。
照りも出てくれた
「手作り感」が味を出している
ラングリッツ終了
3.吉田カバン ポーターの財布
「貰い物」の中でこの1点だけが日常使いの財布としてバリバリ稼働中。「PORTER SOAK | WALLET」だろう・・・と思う。
内側
革物は「使うこともメンテのうち」と思っているのだけれど、こういう財布は普段使いにおいて人の指先や手のひらから脂が染みているように思う。その分、乾燥の進行を遅らせる効果はあるのかもしれない。それはともかく、これにもマスタングペーストを塗ってやった。
素材は牛ショルダーでベジタン鞣し。内装は豚革使用とのこと。オイルを塗る前と後の表情にあまり違いはなかった。
全体的にポッテリとした感じで縫製もしっかり
以上3点、作業は30分以内で終わった。貰い物は嬉しいことだけれど、使わないものは「溜まっていく」ことになる。かさばって使わないものだと処理方法も考えるのだが、小物類は場所もとらないということもあって引き出し等に置かれたままだ。「よく使われる日」が来るまでスタンバイし続けてもらうこととしよう。
おわり