8月が終わっても気温は連日の30度越えで暑さは続いている。数日前には9月として史上初の40度台が新潟で観測されたとのニュースが流れていた。この温度の中、普段は衣装タンスに放り込んだままのレザーカバンがどうなっているのか、とり出してチェックしてみることとした。
素材が繊維で出来ているものは除湿剤なりを置いておけば気にしなくていいのだけれど、換気がされていないところにしまってある革物類はカビが発生する恐れがある。レザーカバンはクリームを塗っていないので、それほど心配はしていなかったのだが念のためのチェックとなる。手持ちのレザーカバンは2つで黒と茶のそれぞれだけれど、日常的には休眠状態となっている。今回はそのうちの茶色の方の様子をみることにした。
茶色のレザーカバン
素材の革は馬。ホースハイドというやつである。ブリーフケースなのだけれど一泊二日の旅行鞄としても使える。
裏側
ストラップ
横幅しっかりのフロントコンパートメント
内装部分も外装と同じくホースハイドで作られている。なるべく汚れが付きにくくということで顔料仕上げのものが使用されている。ファスナーはカバンがフルに開くように取り付けられている。
内装の片側はジップポケットが一つと、その下側にコンパートメントが一つ位置している。
もう片方はボタン付きのポケットが2つというレイアウト。
このカバンのサイズは縦 310×横 425×奥行 130。ファスナーは信頼のYKK製。
ジ・ウォームスクラフツ・マニュファクチャー
このカバンは新喜皮革が展開している「ジ・ウォームスクラフツ・マニュファクチャー」というブランドのもの。新喜皮革といえば馬革専門のタンナーとして世界的で、そこが自家製で製作しているのだから「良いもの」だろうと安心感があった。
カビの発生はないことを確認して、軽くブラッシングと乾ぶきをすることにした。ブラシは馬毛のものを。僕はブラシは消耗品という扱いなので「〇〇製ブラシを」といったこだわりはない。
軽くさっと全体をブラッシングしていく
乾ぶきを済ませて肌を見ると、ブラシの摩擦熱の影響からか少し照りが出てきているような印象。オイルの浮き上がりだろうか。
もう少し表面に近づいての肌のようす
柔らかさと硬さが適度なバランスの馬革も、経年変化で自然な型がつくようになってきている。
このレザーカバンのホースハイドは表面のトラや血脈、バラキズ等がなるべくそのままの状態になっている。だから商品コードは同じでも一つ一つに個体差がある。言い換えれば、同じものはない。そういったところは黒色よりも茶色の方が余計に違いがわかるだろう。馬は牛などに比べて活動的な動物なので体に多くキズがつきやすいと聞いたことがあるけれど、そのような自然の風合いが「味があって良い」と思う人にはホースハイド革はお薦め素材だと思う。
そもそもは、このカバンの黒を買った時に「茶色も良いなぁ」と思ったのがことの発端だった。迷ったあげく半年後にこのカバンを購入した次第。とはいえ、レザーカバンは天候を気にしての使用となるから使用頻度はだんだんと少なくなり、現在ではタンスの中で眠っているのが通常モードになってしまった。今回のこれを機にこつこつと使ってやろうと思う。
おわり