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サバ缶人気でサバ価格高騰

DHA・EPA成分が豊富ということでここ数年、サバ・イワシ缶がすごく売れている。ブームというよりはもうこの人気は定着してしまいそうな勢いだ。魚介系の缶詰の販売額ではツナ缶を抜いてサバ缶が首位になったという記事も見かけた。そんな人気を受けて市場での卸値も高騰しているということなのでサバ人気の現状をちょっと見てみることとした。

サバの漁獲量等

使用するデータは農林水産省の漁業産出額のページの平成29年漁業産出額(平成31年3月19日公表)から。ちなみに平成29年は西暦2017年だ。

 日本のサバ類とは 

日本の海で獲れるサバは計4種類。有名なマサバ・ゴマサバと南西諸島周辺でのグルクマとニジョウサバで、後の2つは熱帯海域で広く生息しているということで国内では南西諸島が北限に当たると考えられる。本州では獲れない。一般的にサバでイメージされているのはマサバ・ゴマサバだろう。マサバとゴマサバのシンプルな見分け方は腹部の黒い斑点の有無だ。ゴマサバの名前の通り、ゴマサバには腹に黒い斑点がついている。

目印の腹部の黒い斑点

ゴマサバ

一方、マサバは腹部に斑点はなく白色の肌をしている。

マサバ

両方ともサイズは成魚で50cmほどまでに成長する。食材としての特徴は、脂分はマサバ > ゴマサバとなっている。脂の乗りはマサバ、しかしマサバの味は夏の時期は落ちるとされている。一方、ゴマサバは季節による味の変化は特になく年中一定の味が保たれるとのことだ。

 サバ類の漁獲量等 

漁獲量はここ数年、年間50万トンで推移している。不漁の年で40万トン程度となっている(表の右上グラフ)。また産地卸売価格は1Kあたり80円程度で推移していた。

水産庁-平成29年漁業産出額H31年3月公表-1

さば類漁業の産出額は平成25年の403億円から平成29年が450億円で、対前年比3.4%の上昇となっている。

水産庁-平成29年漁業産出額H31年3月公表-2

サバ卸値の上昇

サバの卸値はここ数年1Kあたり80円程度だったのが、今年に入って1Kあたり120~円で取引されているとのこと。サバ養殖も進んできているけれどそれらは主にブランド産品なのでこの一般的な取引とは別枠の話だろう。輸出のメインとなるのはサイズ100~200グラムの小型サバで、これらは缶詰の具になったりマグロ・ブリなど養殖魚の餌として使用されたり海外輸出品になったりと様々な形で重宝されている。ちなみに200グラム~の中大型は焼き物や寿司ネタなどで消費されている。サバの海外輸出先のメインは意外にもアフリカで、ナイジェリア、エジプトの2か国で輸出シェアの40%ほどを占めるとのことだ。ナイジェリアは約2億人弱の人口爆増中の国で今やアフリカ最大の経済国だ。魚は畜肉に比べて安く、貴重なタンパク源としてニーズが高いのだろうか。

とはいえ、新聞記事によると、輸出単価1K120円を超えたころからアフリカ勢の買い付けが鈍ったとのこと。いわゆる「買い控え」状態。ナイジェリア等の購買力からすると現在の日本の小型サバ価格は高すぎるということなのだろう。海外からのニーズが高いのだから(ましてや人口爆増のアフリカからのニーズ)養殖をどんどん進めればいいのではと思ってしまうけれど、現在の価格高騰の要因はサバ缶ブームによる国内需要の急増によるもの。ブームが過ぎればまた価格は下落して落ち着くものだ。しかし健康意識の高まりからサバ需要はこのまま推移するのかもしれない。いや益々、人気が高まったりして。先のことは誰にもわからない。不漁の年が来れば「サバ=高級魚」という位置づけになるのかもしれない。養殖魚の餌として使われるぐらいだから、そもそも安い大衆魚なのだがなぁ。

 

おわり

 

 

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