シンプルで使い勝手の良いプレーントウ。少し履きジワも気になってきたし、直近のケアから半年ほど経ってきているのでクリームを入れることにした。靴クリームを使う頻度は人によって「5~6回履く毎」とか「10回履く毎」とかそれぞれだろうけれど、僕は「くたびれてきたな」「乾燥してきたな」と感じた時にクリームを入れるようにしている。靴のケアメンテで最初に汚れを落とす場合には、僕は「水拭き派」で靴クリーナーは持っていない。有機溶剤を使うのはクリームだけでいいかなと思ってのこと。
~ 前回のケアメンテ ~
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リーガルパターンオーダー靴2 プレーントウ
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靴はリーガルのパターンオーダー(BTO)のプレーントウ。前回(昨年11月)のケアメンテから半年経過でその間に履いた回数は10回ほどだと思う。前日に履いた時には履きジワが白くなってきていて乾燥が進みつつある印象だった。
肉眼での「ぱっと見」は違和感なし
甲の2本の履きジワ
写真以上に白く「クチャッ」となっている
横から
左は左で独自の履きジワ
ソールもチェックしておこう
ヒール・ハーフラバーは大丈夫
履いている状態で見下ろせば靴は汚れていないのだけれど、そろそろ保革しないと「履きジワからひび割れ」を起こして修理が必要になる恐れがある。そこで今回は、靴には今まで使ってこなかったオイルも追加で投入することにした。
マスタングペーストの投入
マスタングペーストは評判高く、愛用者も多いと思われるオイルだけれど、商品箱に「野性的なレザーアイテム専用の保革油です」と表示されているように、エンジニアブーツやグローブ、革ジャケット、ベルトその他ハードに使用するアイテムを主対象にした保革オイルだ。一般的な革靴に使うと柔らかくなって型崩れを起こしてしまうのではという懸念もある。成分はほぼ馬油であとビーワックスが含まれている(天然成分100%)。その成分が革を柔らかくする作用機序は分からないけれど、今回はお試しで全体に薄く入れてみることにした。
指先にとってしばらくすると、馬油が人肌の温度ですぐにトロトロになる。完全に馬油100%のものは保湿用スキンケア商品として売られているぐらい人体に無害なものだ。
プレーントウへ靴クリーム2種類
いつものとおりブラッシングでホコリを払った後、さっそくマスタングペーストを塗っていく。
ブラッシングと乾ぶき後、オイル待ちのようす
見た目だけならこれで良さそうなのだ
マスタングペーストを指で薄く全体に塗っていく。馬油メインなので粘着さがなく革にすーっと吸い込まれていく。逆に「革が馬油を飲んでいる」といった方がいいぐらいだろうか。
塗り終了。艶消しのマットな表情
続いてクレム1925のナチュラルを塗っていく
半年ぶりのオイルということで今回はいつもより多めに塗った。塗りすぎたかも・・・このあたりの加減がわからない。
しばらく経った後、まず向かって右側をブラッシング
左側はブラッシング待ち
後はいつものとおり、ブラッシングと乾ぶきでフィニッシュとなった。
そして、ついでなのでコバにワックスを塗っておくことにした。コバインクまではいらないだろう。
使ったのは定番のサフィールビーズワックスポリッシュ。コバを軽く水拭きした後、ササっとワックスを塗っておいた。撥水効果期待ですね。
とりあえずプレーントウ黒のケアメンテを終えて
この靴の素材はフランス製アニリンカーフ。リーガルのパターンオーダー時に店内の素材見本帳にはアノネイと表記されていたから「アノネイのボカルー」なのかなと思う。そして、これまで履いてきた印象は「なかなか固いなぁ」というもので、これは個体差なのか、ランク差なのか、そもそもアノネイボカルーはそういうものなのか分からない。あるいは履く頻度が少ないからまだまだ固いままなのか・・・。日本基準でのキップ革はヨーロッパではカーフ扱いをすることもある、と聞いたことがあるからそういった影響なのか。これはあくまで個人的感想。
今回のクリーム入れは「履きジワのひび割れ防止」のためのもの。この靴は法事等にも使えるから、もう少し保革を意識してクリームを入れる頻度を上げていこうと思う。
おわり