訪問:2019年
内宮へのお参りに合わせて猿田彦神社へも参詣した。場所は「内宮と月読宮(内宮別宮)の間」に位置していて、内宮から徒歩で十分行ける距離にある。祀られているのは猿田彦大神(さるたひこおおかみ)で、境内には猿女君の神社もある。神話で非常に重要な役割を担っている二人(神)なので「名前は聞いたことがある」という人は多いだろうと思う。
猿田彦(さるたひこ)神社
神社境内に隣接した参拝者用駐車場は思っていたより広かったので、楽に車を停めることができた。猿田彦神社には奉賛講というものがあり、支援者が神社の維持をサポートしている。訪れた日は、社殿の中でその講員らしき人達に「祈祷か何かの式」が行われているところだった。
みちひらきの大神 猿田彦神社
社殿では、講員の人たちがお辞儀の姿勢で、神職が祝詞をあげていた。何かの式の最中だったので、僕もなるべく音を立てないように、玉砂利は歩かないように注意した。「そろそろ歩きの参拝って何やねん」と思ったのだが、まあいい。
社殿
社殿から振り返って見た、入口の鳥居
猿田彦は「国津神(くにつかみ)」で、もとから地上にいた土着の神を意味している。大国主(おおくにぬし)も「国津神」だ。これは天照のように天上から降りてくる「天津神(あまつかみ)」との違いを表す分類となっている。
猿田彦はニニギ(神)が天から地上へ降りる「天孫降臨」の際、辺りを光で照らして登場する。アメノウズメ(神)が近づいていって問いただすと「地上への道案内に来た」といって天津神の先導役として描かれている。そういった神話の逸話から猿田彦のことを「みちひらきの神」として祀っている。
佐瑠女(さるめ)神社
猿田彦神社の境内にもう1つ「佐瑠女(さるめ)神社」がある。猿田彦に問いかけをしたアメノウズメが始祖で、アメノウズメは「天孫降臨」の後、猿田彦を故郷の五十鈴川へ送り届けて仕えるようになった。「猿女君(さるめのきみ)」はそれ以来の地上での名前とのこと。
アメノウズメを祀っている
アメノウズメで有名なのは何といっても「天照の天岩戸(あまのいわと)」の話だろう。岩戸に隠れてしまった天照を外へ出すために、岩戸の前でさまざまな儀式が行なわれた。アメノウズメは踊りを披露して場が賑やかになった。そんな外の楽しそうな雰囲気に気を緩めた天照を岩戸から引きつりだすことに成功することになる・・・。そういった神話からアメノウズメは「芸能の神」として祀られている。見方によれば「巫女さんのルーツ」ともとれるのではないだろうか。
「天岩戸の話」については、あれは「日食の様子を神話化したもの」だよなぁというのが個人的な感想だ。
猿田彦神社のお守り
せっかくなので記念にお守りを購入した。お守りの種類や色もいろいろとあったのだが、色は紫のものを選んだ。紫は高貴な感じがする色なので「お守り」には似合っていると思う。
境内の広さはほどほどで、サクッとお参りが出来る。祀られているのが神話上の有名な神なので、なんとなく親しみも感じられた神社だった。
「みちひらきの神」と「芸能の神」の2神。
おわり